comic) 月の光 Astral Project
marginal x 竹谷州史 (エンターブレイン)BEAM COMIX 4巻まで、2巻分でレビュー・紹介を。2005年頃だ
「姉の死」による(遺品CDを聴くことがトリガーとなる)幽体離脱・体外離脱の体験からはじまるサイケデリック・サスペンスといった感だが、この作者は幽体離脱を普通の物として描いている気が。
それはこんな感覚なんだよ。と、知らない人に教える感じ。これによってオドロオドロシイ世界を描こうとはしていない。漫画としても人を殺したり、怪物と戦ったりということではなく、刺激弱めで、(私ら年寄りには)柔らかく腹に落ちる感じがして好ましい。
幻魔大戦をはじめて読んだ時にもこういう「何かに書かされている」かのような作者のスタンスは感じたんだが。だいぶだいぶ前の話だなぁ。
「ウルトラヘブン」を読んだ(むしろ観た)時のような、精神世界のぶっ飛んだ絵は出てくるが、これは脳がそういう状態にある時は、そう視えるんだよ。そういうことだよ。そして、ジャズ、アルバート・アイラー、フランシス・ベーコンなどのキーワードが出てくる。強烈な印象のコミックだが、Deepな精神世界の住人だったら、ある程度既知の情報だったのかも。