comic)日に流れて橋に行くby日高ショーコ

comic)日に流れて橋に行くby日高ショーコ

集英社 11巻まで読んだ。前半部分を中心に紹介。SQ_hininagarete明治〜昭和初期。かつての「呉服屋」が「百貨店・デパートメントストア」に変わっていく頃のお話。日本橋の開橋式があった頃(明治44年。もちろん空に首都高なんか無いよ。洋装も珍しい頃。)時代のターニングポイントとなっているようだ。


老舗三つ星呉服店の三男坊星乃虎三郎がロンドン留学(?遊学に近いかも)から帰国する。三つ星は品物(&旧客筋)は良いが、新しい波に乗り切れず、落ち目になっている。hininagarete01hininagarete02星乃家長男(虎三郎の兄=前社長)が失踪する騒ぎがあり、本来なら継ぐはずもない虎三郎が三つ星の社長に。(そこそこ有能ではあるのだが)頭の固い番頭たちとぶつかり合いながら「新しい試み」を次々と試し、いい感じに「脱皮・変体」していく三つ星(これがメインのストーリー)。
hininagareteT1-2その中で採用した女性店員(背が高く=当時としては嫁に行き遅れる要因・ファッションオタク的側面を持つ)卯ノ原時子・坂巻千鶴と。男女平等・実力主義など海外マインドを持ち合わせ、さらに「人たらし」的性格がある虎三郎、ヨーロッパから虎三郎を見込んで(本当は裏の目的があるようだが、それは徐々に明かされる)資金・人的援助をする鷹頭玲司。人気作家白井辰春、若い番頭トップ格の五百雀要(虎三郎と同級・幼馴染だが丁稚であったが故の嫉妬・妬みなどを持つ←でも悪役という訳ではない)(彼らとはBL感が少しあり、そっち方面も楽しめる)。卯ノ原にファッションを伝授する横浜のドレス・メーカー・ミス・イネス、宣伝に一役買う女優の田村蔦子、ライバル百貨店(日越・黒木屋)の面々、虎三郎を見込み自分の娘と結婚させようとする平瀬男爵、そしてその娘の未和‥‥、キャラ揃いの若い人たちが、日本橋から日本の買い物文化・服装・装飾を変えていく。店の改装・喫茶室併設(コーヒーが珍しい頃のお話だからね)レトロ・ビジネスもの(お仕事もの)の群像劇であり、ファッション史でもある。hininagarete03hininagarete04hininagarete05熱い物語である。(今年の大河が「べらぼう」という侍のあまり関係ない文化のストーリーで評価されているということで、今ならこういうのも)大河向けなのでは?とも思う。ぜひNHKさんで検討されたし🧡hininagarete06hininagarete07女性の社会的地位・社会進出・仕事とは?男女に能力差はあるのか?のようなサブテーマが通奏されており、卯ノ原の成長物語としても面白く読め、この後彼女はどうなるのだろうと気を揉んでしまう。上手い作りになっている。hininagarete08hininagarete09hininagarete10hininagarete11hininagarete12hininagareteT3-8hininagarete13hininagarete14hininagarete15hininagarete16mainCast5hininagarete17三つ星古参番頭がかつて博徒であったことや、五百雀をそそのかして三つ星乗っ取りを企てるものが居たり、失踪中の兄が発見されたり。色々と事件が起こってまだまだハラハラドキドキが止まらない。日本美術の海外流出の是非もさりげなく問うてくる。hininagarete18hininagarete19hininagarete20作者さんはよく勉強して描いてると思う。この辺「のだめカンタービレ」が欧州音楽事情・音楽そのものを勉強していた.のに近い気もする。時代・服装だけのなんちゃって大正レトロの少女マンガとは一線を画している。まずはご覧あれ。hininagarete21

Leave a reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Produced by YAZKA D.E.D. (C) 2015-2025